EDM路線からカントリーに転向した3人の女性大物ポップシンガーに共通するものとは?

Lady Gaga(レディー・ガガ)、Kesha(ケシャ)、Miley Cyrus(マイリー・サイラス)。この3人の女性大物ポップシンガーに共通するものとは何だろうか?それは彼女達が「キャリア上や、プライベートでのトラブル」を経て、それぞれのアイデンティティーを2010年代前半に驚異的な盛り上がりを見せたEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)路線から、カントリー調に転向しているという点だ。

Lady gaga

レディーガガ・・・と聞けば、まぶたに目を描いたり、生肉を身にまとったりと音楽と共に派手なファッションやメイクが注目されてきたイメージではないだろうか?ファッション同様、音楽もBorn This WayPoker Faceに代表されるように、エレクトロ・ダンス・ポップのイメージが印象的だ。

アルバム『Joanne』で見せた着飾らないアーティスト性

しかし、2016年にリリースしたアルバムJoanneでは、誰もがそのファッションの変化に驚いたことだろう。来日で成田空港に降り立った際には、露出度は高いながらも黒を基調としたシンプルな服装にアルバム『Joanne』をイメージしたピンクのハットという比較的シックで落ち着いたファッションだったからだ。このファッションには、Joanne』のコンセプトが“人間回帰”であることが深く関係しているようだ。実は、同作のタイトルは亡き叔母・ジョアンの名前からとったもので、初の自伝的アルバムになったという。同作のジャケット写真が、Tシャツにデニム、ナチュラルなメイクにパステルピンクのハットを被った姿を映したシンプルなものであることからも、これまで彼女が見せてきた路線と大きく異なることがわかる。

彼女の爆発的な創造力が生んだスタッフの裏切り


2012
年のアルバムArtpopでは、ガガの新しい曲の全てに溢れんばかりの創造力がつぎ込まれたが、逆に創造力がありすぎることに辟易する人も出てきたようだった。それは、彼女自身の体調が万全でなかったことや、長年マネジメントを託していたトロイ・カーターとの決別が起因しており、彼女自身が「スタッフに裏切られた。」と告白する事態となってしまった。そういったキャリア上でのトラブルが、ガガが自身の敬愛するアイコンの一人、Tony Bennett(トニー・ベネット)に向けたラブレターでもある2014年リリースのデュエット・アルバムCheek To Cheekにつながっており、彼女自身が真摯に音楽と向き合うきっかけだったのかもしれない。

リードシングルのPerfect Illusionでは「今まで自分をあえて見せない側面もあったのですが、この音楽だと出さないわけにはいかなかった。心の奥底から自分の思いを込めて書いた曲」だと語った。


Kesha

摂食障害や訴訟問題を乗り越え、ようやく表現した自身の世界観

世界中の多くのファンに愛され、数多くの楽曲を有名アーティストたちにも提供、業界からも高く評価されていたKesha(ケシャ)。そんな彼女だったが「太った」「ストレスを感じているのではないか」とゴシップされるようになり、20141月、摂食障害でリハビリ施設に入所。施設の医師に「Dr. Luke(ドクター・ルーク)から暴力を振るわれたり、性的暴行を受け、精神的にも苦痛をうけた」ことを明かしたと報じられるようになり、同年10月、ルークを相手取る訴訟を起こした。しかし、ルークはケシャの主張を真っ向から否定したため、訴訟は長引き、その間ケシャは音楽活動ができない状態に。その後、多くのアーティストやファンのサポートもあり、無事ニューアルバムRainbowをリリース。

カントリーを組み込んだニューアルバム『Rainbow』で真のアーティスト性を披露

ファンのためにと気持ちを込めて制作したこのアルバムは、ドクター・ルークのレーベル「Kemosabe Records」からリリースされるものの、ドクター・ルークの関与や影響は一切排除したものになっており、真にケシャのアーティスト性を打ち出した作品となっている。これまでのパーティーポップ路線だった彼女の華やかなスタイルが、リードシングル「Praying」で一変。Dr. Lukeとの訴訟問題に触れたこの曲は、胸に刺さるような切ないメロディと彼女の力強いヴォーカルが響き渡るナンバーとなっている。

Miley Cyrus

急激な脱アイドル化と強烈なイメチェンで、自身のキャリアを成功に導く

Wrecking BallWe Cant Stop等のスマッシュ・ヒットを生み出した全米No.1アルバムBangerzをリリースしたと思えば、その後リリースされた実験的プロジェクト的立ち位置のMiley Cyrus & Her Dead Petzでは、極めてサイケデリックでボーダーレスな作品を世に送り出したマイリー・サイラス。2008年にリリースしたセカンド・アルバムBreakout以降“脱アイドル化”を加速させ、自身の音楽スタイルを模索してきた彼女だが、音楽シーン以外でも彼女の”奇行”は世の中を騒がせてきた。

ボトムスを履かないパンツレスルックがステージ上での定番ルックとなったり、ベリーショートにばっさりカットして大胆なイメージチェンジと、彼女のあまりの変化にファンは困惑するも本人は「自由を感じている」と大満足。2013年の音楽祭MTV VMAでは、舌をベロベロっと出しながら超エキセントリックなパフォーマンスで「We Can’t Stop」を披露、ワイルドキャラが確立した。

婚約者との破局をよそに加熱するマイリーフィーバーだが、復縁→休養を機にピュアでオーガニックなスタイルに

そんなキャリアの影では彼女のエキセントリックなパフォーマンスに婚約者リアムはついて行けずに破局。彼女が『Bangarz』を通してキャリアでの快進撃をつづけていく中、再びリアムとの恋が復活した思えば、仕事をセーヴして私生活での幸せを楽しむことに専念。毒抜きを済ませた彼女がリリースしたのが、カントリー路線に転向した『Younger Now』である。これまでの彼女のキャリアを踏まえれば、今回の最新作は彼女の歴史上もっともルーツに立ち返ったものであり、そのサウンドの基調となっているのはアメリカ南部を思わせるトラッドミュージックの数々。「これまでで最も自分をさらけ出した内容」と自ら語っており、マイリー・サイラスのルーツが表現されている。

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